墓じまい 3
投稿日:2023/10/17
墓じまいはお墓を撤去して終わりではありません。ご遺骨をどのように供養するか、先々まで見越して無理のない計画をたてましょう。墓じまい後の選択肢は、以下のようにございます。自分と家族の生活に合わせて、故人を偲び負担の少ない方法を選ぶことが大切です。
〇一般墓への改葬
お墓を持つことに不満がなく、手入れも負担ではないが、お墓までの物理的な距離の問題で維持・管理が難しいという理由で墓じまいを選択するされた方は、別の墓地や霊園の一般墓に改葬する方法です。自宅から近く、通いやすい霊園に墓地を購入するといいでしょう。
〇樹木葬
樹木葬は、墓石の建てず樹木を墓標とする埋葬方法です。お参りのしやすさや管理面を重視する場合は、霊園内の一部に設けられた樹木葬がおすすめです。
〇永代供養
ご遺骨を改葬しても、様々な理由で維持・管理が難しい場合は、お寺や霊園にお墓の管理を依頼できる永代供養を選ぶのもひとつの手です。一般墓のほか納骨堂、樹木葬などにも永代供養つきのものがありますので、相談の上で決定しましょう。
なお、永代供養といっても、期間の定めなく永遠に供養してくれるわけではありません。墓所によって異なりますが、十七回忌、三十三回忌、五十回忌など一定の期間が過ぎた後は合祀となるので注意が必要です。
〇納骨堂への改葬
納骨堂は特に墓地用地が不足している都心部で増加傾向にあります。骨壺を納めるだけのシンプルなロッカー型から、上の段に位牌などを置いて下の段にご遺骨を納める仏壇型、参拝スペースでタッチパネルやカードキーをかざすとご遺骨が運ばれてくる自動搬送型などがあります。管理しやすく交通至便な場所にある場合が多いです。
〇手元供養
ご遺骨は、必ずお墓に納めなければならないという決まりはありません。小さな骨壺や、ペンダントなどにご遺骨を入れて自宅で管理・供養する方法もあります。ただし、手元供養をしていた方に万一のことがあると、その後のご遺骨の行き場がなくなり、家族が再びご遺骨の行き先を検討しなければならなくなる可能性があります。先を見据えた供養を考えておくことが重要です。
〇散骨
散骨は、ご遺骨を2mm以下の大きさに粉骨(パウダー状)し、海や山などにまく方法です。どのような形であれ、お墓の維持・管理が負担であるという場合や、故人の遺志が確認された場合に行われることが多いでしょう。ただし、安易に自己流で散骨を行うと、周辺の利用者や管理者とのトラブルにつながる可能性があります。ルールに則り、周囲の理解を得た上で行いましょう。
★後墓じまいは事前準備としっかりと★
墓じまいを考える多くの方は、先祖代々受け継がれてきたお墓を非常大切に思い、無縁墓にはしたくないという思いで決断をしています。しかし、お墓は、ひとりひとりの死生観や価値観が反映されるものです。「みんながお参りしやすくなるならそれでいい」という方もいれば、「先祖が守り続けてきたお墓を解体するなんてありえない」という方もいるでしょう。反対意見を無視して強行に墓じまいを押し進めると、後々トラブルが生じることもあります。墓じまいをしてもご先祖様の供養はできるということ、供養には様々な方法があることを伝え、全員の理解を得ましょう。